「就活イエス」は、
イエスを信じる人たちの、「就活」「働き方」に迫っていくインタビュー記事です。
シリーズ第4段は、津村崇啓さん!
【Profile】
名前:津村崇啓(Takahiro Tsumura)
生まれ:1986年
出身:北海道札幌市
職業:不動産コンサル会社
→ 株式会社プラウス取締役(不動産店長・結婚相談所所長)
【結婚相談所HP】marriage-lita
- ▼ミステリサークルに入りたくて大学へ
- ▼イエスとの出会い 〜リスクと期待値?!〜
- ▼日曜日に休める会社を探して
- ▼不動産コンサルティング会社に ~壮絶な社会人生活~
- ▼履歴書書くのがめんどくさくて独立
- ▼「クリスチャンの結婚」への問題意識
- ▼結婚相談所を立ち上げたキッカケ
- ▼結婚相談所を始めて
- ▼見えてきた課題 〜結婚相談所は教育の仕事〜
- ▼経営者としての難しさ
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
津村さんは、色々なことを手がけてらっしゃるイメージがあるのですが、結局、仕事としては何をやっているんですか?
不動産業をやっています。それと合わせて、クリスチャン専門の結婚相談所を今年の4月からはじめました。
不動産に結婚相談所! なんだか繋がりが見えない組み合わせですが、順番にお聞きしていきたいと思います。
▼ミステリサークルに入りたくて大学へ
ご出身はどちらなんですか?
北海道出身です。でも、うちは転勤族だったから、北海道は2歳までしかいなくて、そのあとは横浜に5年、名古屋に5年、そのあと長野6年。それで大学から東京ですね。
わわ。そうなると、”地元”と聞かれても、どこって言えないですね。
そうなんですよ。難しいですよね。「名古屋出身」とか「長野出身」とかいう人たちがいると、「私もです」って話は合わせられますけど、本当の故郷はどこだか分からないですね。
大学は早稲田に。
そうです。早稲田の理工学部。
ははは。でも、一応、経営システム工学っていうのをやっていたんですよ。でも、早稲田を目指したのは、別に勉強が目的じゃなかったんですよ。高校時代、推理小説にハマっていて。早稲田には「ワセダミステリクラブ」っていう有名なミステリー小説のサークルがあって。そこにどうしても入りたくて、早稲田を受験したんです(笑)
ミステリクラブ! 聞いたことあります。推理小説を書いたりもしてたんですか?
いや、サークルに書く人はいたんですけど、僕は書かなかった。読んで、ひたすら推理小説について語るっていう感じでした。
理工学部では大学院まで行かれたそうですが、何を研究していたんですか?
人間工学っていうのをやっていました。ちょっと昔、「人間工学採用」っていうシャーペンとかも売っていましたけど、あんな感じです。
なんだか、今の不動産や結婚相談所の仕事と、全く関係ない感じですね。
ははは、本当そうだよね。
▼イエスとの出会い 〜リスクと期待値?!〜
イエスと出会ったのはいつですか?
大学1年生の時。キャンパスのベンチに座っていたら、クリスチャンの先輩が声をかけてくれて。それがきっかけで教会に行き始めたんですよね。
教会に誘われて抵抗はなかったんですか?
全くなかったですね。行ってみて、イヤだったら引き返せばいいだけの話だし、それよりも「知ってみたいな」という好奇心が勝りましたね。
最初に教会に行った時の印象は?
ビックリでした。それまでの「教会」のイメージと全く違いました。静かにお祈りとかしているイメージだったのに、音楽はバンドのスタイルでバリバリやってるし。建物も「十字架かかってるけどただのビルじゃん」って思って。すごく賑やかで、「こんなところが教会なんだ」っていうのが素直な感想ですね。
そこから徐々にイエスを知っていった?
そうですね。学生だったので、日曜日は特にやることもなかったし、抵抗なかったですね。教会行ったら、韓国系の教会だったので、ビビンバ食べ放題だったんですよ(笑)学生にとってタダ飯ほどありがたいことはなくて(笑)そういう結構単純な理由でしたね。教会に行き始めたのが大学1年の5月で、その年のクリスマスに洗礼を受けました。
洗礼を受けるキッカケはあったんですか?
う~ん。僕は衝撃的に出会うっていうパターンじゃなかったんですよね。これは、ある意味理系の考え方なんですけど、リスクと期待値を比べたんですよね。
リスクと期待値・・・???
考え方が2つありますよね。イエスがこの世に来て、死んで復活したとか、神様がこの世界を創造したっている考え方がひとつ。もうひとつは、今まで当たり前に信じてきた、ビッグバンが起こって、地球が偶然できたっていう考え方。どちらも可能性あると思ったんですよね。
で、別に信じる、信じないっていうのは一つの決断だから、信じてみて、もし間違っていれば、その時引き返せばいいやと思って。だから信じることのリスクはないな~って(笑)リスクと言えば日曜日に教会行く時間が取られるっていうことくらい。だったら信じる期待値の方が高いなっていうのがキッカケ。
めちゃくちゃ合理的じゃないですか・・・(笑)
ははは。でも、洗礼を受けて12年が経ちますけど、この道は絶対に正しかったと思いますよ。生きている中で、神様が働いているのを感じますから。
神様に信頼して生きていると、その力を感じずにはいられないですよね。
▼日曜日に休める会社を探して
就職活動は、どのようなポイントで会社を選んだんですか?
大学時代にクリスチャンになったので、一番のポイントは、日曜日に休めるっていうことでしたね。教会に行くことを最優先にしたかったから。あとは、不動産っていう業界は、ずっと興味がありました。土地とか建物っていうのは「衣食住」の「住」にあたる重要な部分で、絶対になくならないものの一つ。だから、日曜休める+不動産業の会社っていうポイントで選びました。
最初は経営者じゃなくて、就職の道を選んだんですね。
そうですね。でも当初から経営者の道は考えていました。それで、将来的に独立とか、起業っていうことを考えた時に、ある程度小さい会社で働いて、その会社がどう成長していくか、間近で見てみたかったっていうのはありましたね。
ナルホド。つまり、ポイントは日曜日休めて、不動産業で、かつ小さい会社ってことですね。
そう。あとは、「新卒をまだ採用していない会社」。
新卒を採らない会社? どういうことですか?
新卒を採用できるっていうことは、会社がそれなりの成長をしているっていうことじゃないですか。それより前のステージを経験したかったので、新卒の募集をかけていないところを探しました。あとは、「不動産業の経験がなくてもOK」っていうことかな。で、その条件で探したら、もうほぼ就職した会社以外見つからなくて。
大学院卒とはいえ、新卒だったんですよね? 新卒採用していない会社にどうやって入ったんですか?
そう。だから、その会社に「新卒でも採用してもらえますか」とメールで送ってトライしてました。
うわぁ、そこはアグレッシブなんですねやっぱり・・・。面接の時意識したことはありますか?
やっぱり、まず最初に「日曜日に休みたい」と伝えることかな。そうすると、必然的にクリスチャンであることを伝えられるし。それで、就職が決まった。会社名が「リ・バイブル」。
めっちゃクリスチャンっぽい名前じゃないですか・・・(笑)
別にクリスチャン全然関係なかったんですけどね。僕の「株式会社プラウス」より、よっぽどクリスチャンっぽい名前ですよね(笑)
▼不動産コンサルティング会社に ~壮絶な社会人生活~
↑大学院卒業後、就職した不動産会社
それで、始まったばかりの不動産会社に入社したんですね。
そう。不動産のコンサルティング会社ですね。まだ会社が始まって3年目で、従業員も5人しかいないところでした。人数が少なかったので、社長のそばで、全部物事が決まっていくというのを間近で見ることができました。死ぬほど忙しかったですけどね(笑)
めちゃめちゃ少数精鋭ですね。日曜は休めたんですか?
そこは休ませてもらいましたね。でも、それ以外の日は、頑張りましたよ。9時に出社して、その日の24時まで毎日働く生活をしていました。それがイヤだったので、せめて、朝3時間早く出社するから、3時間早く帰らせてくれと交渉したんです。それで僕は6時に出社して、21時に帰ったりしていました(笑)
ひええええ。1日15時間労働ですか・・・どのくらい続けたんですか?
結局、キツすぎたというのもあって、半年でその会社は辞めました。その後、転職しようと思ったのですが・・・
思ったのですが・・・?
▼履歴書書くのがめんどくさくて独立
↑不動産屋を開業
会社を辞めてからはどうしたんですか?
その後、もう1~2社くらいは会社で勤めようと思ったんですよ。それまでのつなぎとして、副業のつもりで不動産をやっていたんですよね。そしたら、あれ? 不動産でも食べていけるなと思って。結局、そのまま独立しちゃいました。
なぜ他の会社には行かなかったんですか?
正直に言うと、履歴書を書くのがめんどくさくなっちゃって(笑)。
えっっっ。
途中までは書いたんですけどね。ああ、またこれ書くのかって思ったらめんどくさいなって(笑)
へぇぇ(笑)
↑会社のチラシ。実は就活イエスNo.3で登場したダニエルさん作成!
1人でやっていくノウハウはどこで身につけたんですか?
これは、完全に神様の助けですよ。それこそ、スキルがあるわけでもないし。でも、なぜか仕事が舞い込んでくるんですよ。キツイ時も、もちろんありましたけどね。でも、ヤバい時になったら、必ず神様が動き出してくれて、自然と物事が動き出すんですよね。
クリスチャンとしての人生って、そういう小さな奇跡を喜べることが、特権ですよね。
▼「クリスチャンの結婚」への問題意識
↑不動産のお店にはカップルも来店する
結婚相談所を始めるキッカケは何だったんでしょうか?
ずっと自分の中で問題意識があったんですよね。僕はもう12年間教会に通っていますが、クリスチャンが結婚する難しさを肌で感じていました。特に、教会の中にいる素敵な女性たちが結婚できないという姿を見ていて、「このままじゃいけない」と、問題意識を持ったんです。
確かに、クリスチャン同士の結婚って難しいですよね。
そうなんです。クリスチャン同士で結婚したいと思ったときに、教会の中で探す以外に、チャンスがとても少ない。そもそも、日本の教会の男女比は3:7くらいで、女性が圧倒的に多いので、なかなかクリスチャンの結婚は大変だなと思っていたんです。
教会の中で出会いがなかったら、もうどうしようもない。
おっしゃる通り。だから、クリスチャンの結婚に対して、できることがあるんじゃないかなと、ずっと考えていたんです。ニーズもあるなと思って。3~4年前から、そういうことをずーっと考えていました。そして、今年結婚相談所を立ち上げました。
▼結婚相談所を立ち上げたキッカケ
↑津村さんの結婚相談所「Lita marriage service」のチラシ
実際に、今年、結婚相談所を立ち上げた。そのアクションに踏み切ったキッカケは何だったんですか?
実際にクリスチャンの結婚相談所をやっている方と知り合ったのがキッカケですね。「ペテロの涙」というクリスチャンの結婚相談所を運営している方と、今年の1月に知り合って。はじめは、不動産の仕事が欲しくて会ったんですよ。
不動産の仕事で・・・?
ホラ、結婚すると、新しい物件を探すじゃないですか。だからそこで物件を探している人たちと繋げてほしいなと思って。元々は、そういう不動産のビジネスの目的で会ったんです。
でも、それが結婚相談所を立ち上げるキッカケになった。
そう。話を聞いているうちに、「あれ、これ自分でやってもいいんじゃないかな」と思い始めてですね。結婚相談所というビジネスモデルは昔からあるし。1月にペテロの涙の人と出会って、3月末までに、教会の独身メンバーたちを呼んで、ヒアリングをしました。
ヒアリング・・・?
つまり、何に問題意識があるかっていうことですよね。ビジネスにするためには、まず現場のニーズを知らないといけないので。それで、ある程度の方向性を固めて、4月に結婚相談所をスタートさせました。Lita(リタ)という名前です。
元々あった問題意識をビジネスに発展させてしまうなんて・・・。普通発想はあっても行動までできませんよね。スゴイなぁ。
▼結婚相談所を始めて
↑お見合いのための場所は必ず津村さんが下見をしている。
Litaっていうのは、どういうサービスなんですか?
いわゆる、仲人型の結婚相談所です。アプリとかもありますけど、仲人として人が介在しないと、単純な出会い系と同じになってしまいますから。Litaの場合は私が必ず全員と面談してから紹介するようにしています。
ええっ、全員と面談しているんですか?
はい。紹介する前に、会員さんの承諾を得られれば、必ずその教会に行くようにしています。牧師さんにも挨拶して、祈ってくださいとお願いしています。牧師さんに挨拶をすると、その会員さんの本当の人柄も見えますし。あとは、教会からも信頼してもらえるように注意しています。勝手にやっていると思われると、会員さんにとっても良くないので。
ものすごく細かいところまで配慮なさってるんですね。ところで、気になっていることがひとつ。
なんでしょう?
Litaって、値段設定がめちゃくちゃ安いじゃないですか。
安いですね(笑)
ゲロ安ですよね。
普通の結婚相談所は、入会金10万、月額1万とかザラですからね(Litaは、入会料28,800円、月額2,980!)。
その意図はどんなところにあるんですか?
これは、実際にやってみて、多少変わってはきているんですが、元々は若い内から結婚に向けて動いてほしいなと思ったからですね。20代でさえ、クリスチャンの結婚っていうのは狭き門じゃないですか。動き出すのは早ければ早いほどいい。そう思った時に、20代でも気軽に使える値段設定っていうのをまず考えました。将来的には、クリスチャンなら、社会人になったら必ずLitaを使うっていうくらいを目指して始めました。
実際にやってみたところ、どうなんですか? 若い人も利用されてるんでしょうか?
やっぱり当初の方向性とは違いましたね。
一体どんなとろこが・・・?
▼見えてきた課題 〜結婚相談所は教育の仕事〜
↑新宿のオアシスブックセンターにもLitaのチラシがあります。
フタを開けてみると、少し現状は違って。20代はそもそも、結婚に対してのモチベーションが低いってことが分かったんです。
確かに、僕も20代ですが、登録するのは抵抗があります。
そうですよね。もちろん、20代でも登録していただいている方はいらっしゃいますが、どうしても率としては30代、40代が多くなる。値段の問題じゃないんだっていうのが分かったんです。安ければ若い人も使うと思ったんですが、そうではなかった。
現状はどうだったんですか?
一番は、人間の心のモチベーションですよね。本当に結婚したい人は、値段なんて関係ない。100万円でも200万円でも構わないから、結婚したいと。そのぐらい切迫感がある。20代には、まだその切迫感がないんですよね。
やっていく内に、課題が見えてきたんですね。何が必要だと思いますか?
やっぱり、教育ですよね。教育的側面がものすごく必要。
私も、日本のクリスチャン界は「結婚観」について教育不足だと感じています。
そうですよね。究極的には、結婚相談所って、紹介じゃなくて、教育の仕事だと思うんですよね。結婚に関して、クリスチャンとそうでない人は、そもそもの考え方が根本的に違う。神様は、「サポーター・助け手」として女性を作ったじゃないですか。その女性と男性という2つの存在が1つになるっていうのが、結婚の基本じゃないですか。
その通りです。
「好きだから結婚する」っていうのは、クリスチャンにとっては違うんです。もちろん、感情は神様が作るものだし、自由意志も与えられていますが、でも、「結婚」ってもっと奥深いものだと。人間の感情って移り変わるものじゃないですか。ずっと「好き」でいられるんですかと。そうじゃなく、クリスチャンの結婚は、「愛する」という決断をして、家庭を作るっていうことなんですよ、って思うんですね。
本当にその通りです。その価値観が当たり前になってほしいなと思います。
▼経営者としての難しさ
今後のビジョンはありますか?
とにかくいろんな人にLitaのサービスを知っていただいて、結婚するカップルの率を上げていきたいですね。このサービスがあったから結婚できたという人が増えて、幸せな家庭を増やしたいっていうのが根本にあります。結婚してからのサポートのプログラムもやっていけたらと思います。夫婦の関係改善のプログラムとか。
クリスチャンの経営者としての難しさはありますか?
そうですね。何だろうなぁ・・・やっぱりお金を求めるかどうかっていう葛藤は、クリスチャンではない人より多いと思います。普通は、お金をできるだけ稼いで、企業をできるだけ長く存続させるのが目的じゃないですか。でも、クリスチャン経営者が、お金を目的にすると、神様に叱られる(笑)。
お金についての葛藤はありそうですね。
経営者としてよくある葛藤は、日曜日に仕事をするかどうかということだと思います。お店だったら、日曜日も仕事した方が絶対に儲かるんですよ。不動産っていう仕事も、土日が稼ぎ時です。当たり前ですよね。休みで、物件を見に行くのは土日なんですから。
だから、日曜日に物件を見に行きたいと、お客様に言われたときにどう対応するか。私の場合は、できるだけ土曜にずらしてもらうか、それでも無理なら日曜の午後にしてもらうようにしています。要するに、目先の利益か、神様か、どちらを優先するかっていう問題だと思うんですよね。
最後に、いつも心に留めている聖書の言葉があれば教えてください。
「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです」
(テサロニケ人への手紙 5:16~18)<新共同訳>
これは洗礼を受けた時から握っている聖書の言葉です。シンプルに、神様が「喜べ、祈れ、感謝せよ」と言っていることを守ればいいんだ! っていつも思っているんです。
いつも神様を信頼して、自分の問題意識をすぐに行動に移して解決しようとする津村さん、カッコいいです・・・!!! ありがとうございました!
↓↓↓津村さんの結婚相談所、【Lita marriage service】のリンクはこちら↓↓↓
LitaのLine@↓↓
https://line.me/R/ti/p/%40mgt4652r
(おわり)
◆このブログの筆者の小林拓馬は、現在、完全オンラインのプロテスタント教会「クラウドチャーチ」の牧仕として活動しています。
◆小林は、Podcast&YouTube「まったり聖書ラボ」でも発信中!
※この記事の聖書の言葉は、特に断りがない限り、<聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会>から引用しています。