「就活イエス」は、
イエスを信じる人たちの、
「就活」「働き方」に迫っていくインタビュー記事です。
シリーズ第12弾は、石川有生さん!
【Profile】
名前:石川有生(Tomomi Ishikawa)
生まれ:1989年
出身:神奈川県逗子市
学歴:東北大学理学部卒業
職業:牧仕@会いに行くキリスト教会
HP:https://ainiiku-church.com/
- ▼イエスに出会えて嬉しい!!!
- ▼イエスを伝えまくる!
- ▼神学校とブラック企業
- ▼うつ病になる
- ▼うつ病から回復したキッカケはイエス
- ▼「会いに行くキリスト教会」の着想
- ▼会いに行きまくるキリスト教会
- ▼イエスを伝え続けたい
今日はよろしくおねがいします。
お願いします。
いきなりなんですけど、ぶっちゃけて聞いていいですか?
なんですか?
石川さんのやっていることがめちゃめちゃ気になるんですが・・・
ああ、「会いに行くキリスト教会」ですか?
そう! それ! なんなんですか。「会いに行くキリスト教会」って。
文字通り、教会に来てもらうんじゃなくて、教会があなたに会いに行きますよっていうことです(笑)
なんなんですかそれ(笑)
キリスト教っていう宗教はもう辞めたんです(笑)。既存の教会って、教会にどうぞ来てくださいって感じじゃないですか。
そうですね。教会に来る人を増やすのが目的みたいになってしまっている面もありますよね。
そうなんです。そうじゃなくて、僕はイエスさまのことを伝えたいんです。だから、会いに行く。twitterなどのSNSで知り合った人に直接会いに行って、イエスさまってこういう存在ですよ、聖書にはこう書いてありますよって伝える働きをしています。
なるほど。シンプルにイエスを伝えるってことですね。詳しくどうやっているのか聞きたいです。
ぜひ。ちなみに、その前は、ブラック企業の営業マンとか、普通の一般的な教会の牧師もやってました。で、うつ病になって、回復して、今に至るという。
面白すぎる・・・。ちょっと要素が渋滞してる気もしますが(笑)今日はゆっくり話を聞かせてください。
喜んで!
▼イエスに出会えて嬉しい!!!
↑大学時代
イエスを信じたのはいつですか?
大学時代ですね。入学したての4月にキャンパスで教会に誘われて、そこから毎週教会に行くようになりましたね。
最初からめっちゃ前向きですね。宗教怖いなとか思わなかったんですか?
うん。特に偏見はなかったですね。僕は当時は神なんていないと思ってたんですが、話してみるとクリスチャンの人はいい人そうだし、一回行ってみてもいいかなと。
最初の印象はどうでしたか?
教会の人がすごく明るく、優しく接してくれたのが印象的でしたね。ぶっちゃけ、教会の礼拝の式の内容は全く覚えてないんですけど(笑)。教会の人がすごく親切で。「また来てくださいね」って言われたのが嬉しくて、また次の週もいきました。そこから毎週。平日も集まりがあれば参加してました。
なぜそんなに教会に行くことに積極的になれたんですか。
高校時代は、ずっと野球に打ち込んでたんですけど、引退して、燃え尽きてしまったんですね。その頃に、ちょうど友人が白血病に亡くなったりして、「生きる目的って何だろう」と漠然と考えてました。それで、宇宙はどうやってできたのか知りたくなって、大学では宇宙論を学ぼうと思って、その分野では有名だった東北大学を目指したんです。
名門ですね。
頑張りました(笑)でも、いざ大学に受かっても、なぜか全然嬉しくなくて。なんだかなぁっていうモヤモヤを抱えていた時に、教会に誘われて、すごく居心地がいいなと思ったんです。だから自然と通うようになったというか。
まず教会に行くようになって、そこからどうイエスを信じたんですか?
教会に、1人の女性の宣教師さんがいて。その人の存在は大きかったですね。お茶とかに誘ってくれて、そこで色々質問してくるんですよ。「なんで教会に来るの」とか。一回、「イエスの奇跡を信じられるか」と聞かれて。僕は当時、よく分からなかったけど、「神なら奇跡はできるんじゃないか」って答えたんですね。それが信仰のキッカケだったと思います。その時に、その宣教師さんと一緒に、イエスさまを救い主として受け入れるお祈りを一緒にしたのを覚えています。
なるほど、その宣教師さんと話す中で、イエスの姿が見えてきた感じですね。
決定的だったのは、その夏にあったキャンプ事件ですね。
キャンプ事件?
教会のキャンプに弟を連れて行こうと思ったんですよ。そしたら、親が猛反対。そりゃそうですよね。親はクリスチャンではないので、息子が変な宗教にハマったんじゃないかとすごく心配してたんです。三日三晩、猛烈に説得されました。「もう教会なんか二度と行っちゃいけないよ」って。
確かに、いきなり息子が「教会行ってる」とか言い出したら、ビックリするかもしれませんね。
そうですよね。でも不思議と僕の中には、「イエスさまが言っていること、聖書は正しい」という絶対的な確信があったんですよ。
そこは揺らがなかった。
そうですね。感謝なことに。それで、親には「もう教会は行かない」と言って、納得してもらって。僕はキャンプに参加するのは諦めて仙台に帰りました。
それで・・・
まぁ教会には行きましたよね(笑)
ですよね(笑)
キャンプに行けなかったので、みんなどんな反応するか不安もあったんですけど、みんな喜んで迎えてくれました。それで、さっき話した女性宣教師さんに正直に状況を話しました。そのときに、宣教師さんはただ黙ってハグしてくれたんです。そのときに、何とも言いがたい愛に包まれた感じがして。聖書の言ってる「無償の愛」っていうものが存在するんだって心から分かったんですね。今思えば、あれがイエスさまに出会った瞬間だったと思います。
確かに、教会がアヤシイ宗教だって言われているのに、弁明しないで迎え入れてくれたのは嬉しいですね。
そうですね。その年の12月にバプテスマを受けました。両親も、今は理解してくれています。
▼イエスを伝えまくる!
↑教会のクリスマス会で
大学生活は何をしていたんですか?
キャンパスでイエスさまを伝えまくっていた思い出しかないですね。
どう伝えるんですか?
シンプルに、キャンパスにいる人に声をかけて、イエスさまの話をするんです。ダイレクトに。それで、教会に誘う。
ほとんど断られるんじゃないですか?
大体断られますよね。なんだコイツ? って(笑)声をかけたうちの1%くらいの人と仲良くなれるんですよ。100人声かけて1人教会に来てくれるって感じですよね。それで、興味ありそうな人がいたら、「じゃあ聖書を一緒に学んでみませんか?」って。その流れがほとんどですね。
すごい地道な活動ですね・・・それがキッカケで信じた人もいたんですか?
そうですね、中にはバプテスマを受けた人もいました。逆に、「キリスト教嫌い」ってなる人もいましたけどね。とにかくイエスさまを伝えまくりました。
何人にも断られて、心折れませんでしたか?
僕は、イエスさまに出会えた喜びが、あまりにも大きかったんですね。人生の意味さえ分からなかったのに、イエスさまに出会って全てが解決した。だから、1人でも多くの人にこのイエスを伝えたいという思いが爆発してたので、断られても、次、次って感じでした。爆発したまま、10年経ってますね。今30歳ですけど、そこは変わっていません。
イエス大好き野郎ですね。
▼神学校とブラック企業
↑神学校卒業の時
卒業後はどうしたんですか? さっき聞いたところだとブラック企業の営業マンとか何とか・・・
実は、大学を卒業する前に、教会が運営していた神学校(聖書学校)に入学したんです。
ダブルスクールですね。
そうですね。
神学校に行こうと思ったキッカケは何ですか?
ローマ書9章3節の言葉を読んだのが契機でしたね。
わたし(パウロ)自身、兄弟たち、つまり肉による同胞のためならば、キリストから離され、神から見捨てられた者となってもよいとさえ思っています。
(ローマの信徒への手紙 9:3 新共同訳)
この言葉は、使徒パウロがユダヤ人の救いのためならば、自分はどうなってもよいという祈りなんですね。自分が神様に見捨てられてもいいというのは、衝撃でした。僕も日本人のために、イエスさまのことを伝えていきたいと素直に思って、それで神学校への入学を決めました。
衝撃ですね。日本人にもこの福音を知ってほしいっていう熱い思い、ステキです。神学校は何年通ったんですか?
3年間のコースでした。授業は、インターネットで受けられたので、それは助かりましたね。でも、卒業間際になって教会でちょっとトラブルがあって、いろいろ考えた結果、一度休学しました。それで、大学も卒業していたので、一度は社会人経験も必要だろうということで、営業マンになったんですね。
それが今思うとブラック企業だったと。
そうですね(笑)
どんな会社だったんですか?
法人向けに、電子ブレーカーを売る会社でした。営業職で受験したのも、どうせなら一番きついことを経験してみようと思って。でもなかなかのブラックでしたよ(笑)。まず日付が変わるまで帰れない。
それはエグい・・・
営業の区域がバカ広かったんですよ。東北エリア全域だったので。直行直帰でも例えば仙台から青森まで車で行って帰ってきたりすると、もう夜中。人間関係も軍隊みたいだったので、なかなかにキツかったですね。
営業はイエスを伝えるのと似ている面もあると思うのですが、どうでしたか?
似ているところはありますね。その点は慣れていた部分もあると思います。ちなみに、瞬間的にですが、営業成績で全国1位になったこともあります。
え! すごい!!
でも、営業は本当にやりたいことじゃなかったので、1年弱勤めて、結局また神学校に戻りました。
イエス伝えたすぎたい気持ちが抑えられなかったんですね(笑)
その通りですね(笑)
▼うつ病になる
↑石巻の教会にて
神学校を卒業してからはどうしていたんですか?
2017年の1月に神学校を卒業して、仙台の教会で9ヶ月働きました。その後、石巻の教会に異動になったんですが・・・
なったんですが・・・?
異動して半年経った時に、倒れたんです。うつ病でした。
何かハプニングが?
いえ、何か大きなキッカケがあったっていうよりも、積み重なったものですね。教会のトラブルから、ブラック企業、そして教会での働き。ずっと全速力で駆け抜けていました。それで、突然倒れてしまったんですね。
失礼ですけど、うつ病になると、どんな感じなんですか?
もう体が動かなくなるんですよ。一番ひどいときは1ヶ月で20kg痩せました。慢性的な不眠症。全然眠れないんです。それから微熱がずっと続く。咳が止まらない。そんな感じの症状ですね。今思えば、受験生の頃から不眠の症状はずっとあったんですけど、自分がうつ病だとは思いたくなかったんですね。だから頑張った。でもそのツケがきて、本当に動けなくなってしまったんです。
教会の仕事どころじゃないですね。
そうなんです。だから、石巻の教会仕事を辞めて、地元の神奈川に帰りました。それで、ずっと実家に引きこもってました。
薬とか飲むんですか?
飲みますね。気分的な落ち込みを抑える薬とか、睡眠導入剤とか。でも薬飲んでも、全然眠れないんですけどね。それよりキツいのが、「離脱作用」っていうんですけど、薬が抜けていくときに、なんとも言えない倦怠感が襲ってくるんですよ。無気力になって、また不眠になって、それが入り混じって、精神的な不快感がずーっと続くんです。
死にたくなる感じですか?
よく勘違いされるんですけど、「死にたくなる」わけじゃないんですよ。どっちかというと、「生きたくない」っていう感情なんです。自暴自棄になって、精神的に汚い部分が、心から出てきて。「ああ、もう生きるのやめたいな」って思うんです。それで、生きるのやめる方法が「死ぬ」しかないから、「ああ、死のうかな」って。うつの症状が強く出てるときは、死がものすごく近く感じるんですよね。「お腹が空いたから、ご飯食べよう」っていうぐらいの感覚で、「生きたくないから、死のう」ぐらいに思っちゃうんですよ。
それはマジ怖いですね。どうやってその状態から回復したんですか?
それがですね・・・
▼うつ病から回復したキッカケはイエス
↑病気から回復した頃
どうやってうつ病から回復したんですか?
しばらくの間、実家に引きこもってたんですけど、ある日友達から連絡が来て。近くの教会でゴスペルコンサートをやるっていうんですね。そのついでに、イエスを伝えるのを手伝ってくれないかって言われて。
ヤバい状態なのに。
そうなんですよ(笑)こんな状態なのに、何言うてんねん思いましたね。ぶっちゃけ、本音では行きたくなかったんですけど、好きなゴルペルアーティストも出るから、まぁいいかなって思って行ったんですよ。
それで、どうなったんですか?
実は、その時に会ったクリスチャンじゃない人に、イエスさまを伝える機会があって。その時に病気が癒やされたんです。
ええ?! どういうことですか?
イエスさまを伝えた瞬間、力が湧いてきて、うつ病の症状がでなくなったんです。その日、家に帰ってからも、よく眠れて。それから本当に1回も症状が出ていないんです。完全に治りました。
なんてことだ・・・イエスを伝えることこそが、石川さんの力の源だったんですね。
そうなんです。「イエスさまを伝える」これが僕の人生の目的だと確信しました。実は、病気になってからも、「イエスさまを伝えたい!」っていう思いだけは、ずーっと心の中にあったんですね。それで、実際にイエスさまを伝えたら、病気が治った。こんなことある? って思いましたけど、もうイエスさまを伝えるために生きていこうって、決心しましたね。
ワオ。素晴らしいですね。人にイエスを伝えることを通して、自分自身の病気が癒やされてしまう。よっぽど、石川さんにとってのエネルギー源なんですね。その後はどうしたんですか?
病気が治ってから数ヶ月語に、地元の教会の協力牧師として働くようになりました。ただ、やはり前の教会のトラブルの件を快く思わない方もいて、それが原因で人間関係がうまくいかなくなってしまったので、その教会での仕事は終わりにしたんです。
それで「会いに行くキリスト教会」が始まるわけですか。
そうですね。
▼「会いに行くキリスト教会」の着想
「会いに行くキリスト教会」の発想はどこからきたんですか?
地元の教会で働いている時に、もっとイエスさまのことを伝えたいなぁって思っていたんですよ。教会の牧師って、教会内部の仕事が多くて。もちろんそれも大事なんですけど、僕はイエスさまを伝えたかったんですね。それで、「教会の方が人々に会いに行けばいいじゃないか」って思ったんですよ。そこからまず、「会いに行くキリスト教会」って名前がきて。そのあたりが発想のキッカケですね。
「会いに行く」って言いますけど、どうやって出会うんですか?
SNSがほとんどです。最初は、道行く人に声をかけるっていうやり方もやったんですけどね。500人ぐらいに声をかけましたけど、誰とも深い話ができなかったんです。この方法は難しいなぁって実感しました。
確かに、道行く人にいきなり声かけられたら、僕だって構えちゃいますね。
僕が学生時代の頃は、そうでもなかったんですけどね。ここ10年で、人の反応が変わってきたように思いますね。以前の教会の牧師や宣教師たちも、「10年前より声かけても反応が悪くなった」と言ってます。
10年の間に人の反応が変わった・・・面白いですね。なぜだと思いますか?
僕の考えでは、SNSが発達して、人が人間関係を現実世界でゼロから作らなくなったからだと思います。昔は、人間関係を作るなら、直接出会うしかなかった。でも今は、直接ゼロからのコンタクトが難しくなってるんですよ。逆にfacebookやtwitterなんかで、ネットで多少のやりとりがある人だと、現実でも会いやすくなってるんです。リプライやコメントする関係性ができていると、会ってもいいかなって気になるでしょ。
ナルホド・・・めちゃめちゃ面白いですね。確かに最近はそういう出会いが多いかもしれないです。直接のやりとりしてなくても、インスタ見てるだけで、なんか知ってる気持ちになったりしますよね。数回しか会ったことない人でも、SNSのやりとりで、仲良くなったり。
そうですね。僕が大学の頃はそんなのなかったですからね。
僕が大学1年生の頃は、mixiで友達作って、マイミク(※mixi内の友達)同士でキャンパス内グループを作ってました。
ああ、ありましたね、mixi(笑)
大学デビューでmixi結構重要だったんですよ(笑)mixiやってないとグループに入りそびれたり・・・それが今もっと大規模にあるわけですね。大学3年の時に留学から帰ってきたら、みんなfacebookとtwitter始めていてビックリしましたね(笑)
過渡期ですね(笑)
話が戻りますけど、道行く人に声かけるのが難しいとなって、どうしたんですか?
そうですね、これじゃダメだって悩んでいる頃に、facebookで自分のうつ病になった経験をつらつらと書き出してみたんですよ。そうしたら、思いの外、反応があったんです。高校時代の友達から「投稿読んだよ」って連絡が来て。それで、自分がなぜクリスチャンになったのか話をすることができました。それで、情報を発信するのがいい方法だなって思ったんです。
なるほど、自分の体験を書くと。
自分を開示するんです。普通に、道行く人に話しかけてもダメだけど、自分を開示して、情報を発信すると、人と出会えるってことに気がついたんです。
面白い! 確かに、僕もtwitterやインスタで「この人面白いな」って思っている人をフォローしたりしてますけど、そういう人から「会いませんか」ってメッセージ来たら、会っちゃうかも。
人とのつながりって、人間みな求めているものだと思うんですが、直接ゼロからのコンタクトってなかなかできないんですよね。リプライやコメントする関係性があると、出会えると分かって、今はSNSでつながった人に会いに行くっていうのがほとんどですね。
▼会いに行きまくるキリスト教会
↑会いに行きまくっている石川さん
SNSといっても、どのプラットフォームが一番多いですか?
一番多いのはtwitterですね。facebookは、基本的に既に知っている人のコミュニティじゃないですか。でも、twitterは基本的に知らない人同士のつながりが多いんです。出会いたいと思っている人も結構いるんですよね。いろんな価値観を知りたいっていう人もいて。twitterを通して、今200人以上に出会ってますね。
200人?! 1日何人くらいに会ってるんですか?
1日3件ぐらいアポ入れてますね。
完全に営業マンじゃないですか。
ははは。
クリスチャンであることは公言してるわけですよね。
全面に出してますね。twitterアカウントにも「会いに行くキリスト教会」って書いてますし(笑)こうしてると、出会ったときに、相手が初っ端からいろいろ質問してくれるんですよ。「クリスチャンって何ですか」とか、「何を信じてるんですか」とか。クリスチャンじゃない人と会うのがほとんどなので。
いいですねそれ。会話のタイミング掴んでから話すとか、まどろっこしいしことしなくていいですもんね。
そうですね。クリスチャンじゃない人は、本当に興味持って話を聞いてくれますね。逆にクリスチャンからは、「どうやったらそんなに出会えるんですか」って聞かれます。
会う約束はどうやって取り付けるんですか?
基本的に、twitterの僕の投稿を見て、リプライをくれるか、DM(ダイレクトメッセージ)が送られてくる場合が多いですね。僕の方からDMを送る場合もありますけど。向こうから連絡が来る場合と、僕から連絡する場合が、半々ぐらいですかね。
意外と会ってもらえるものなんですね。
そうですね。200人に会って、「知りたい」っていうニーズはあるなって思いました。よく宗教に対する偏見があるとか言いますけど、そんなの全然なくって。「聖書ってどういうイメージですか?」と聞くと、ほとんどの人が「いいイメージ」って言うんですね。
たしかに、「偏見がある」っていう偏見かもしれないんですね。
以前の教会では、「日本人は信じない民族だ」という言い方をしてたんですが、実際に150人に会って話してみて、それは間違いだと分かりました。「日本人は信じないんじゃなくて、知らないだけ」なんです。イエスさまのことを伝えて、聖書の話をして、「聞いたことがない」っていう人が120%なんです。むしろ、「知りたい」「聞きたい」という人がほとんどでした。そうやって行動してみたことで、自分が今まで持っていた固定観念が崩れましたね。
なるほど、「信じない」のではなく、ただ「知らない」ということですね。
そうなんです。「知りたい」というニーズがあるなら、僕は会いに行って「伝える」。シンプルなんですよね。
ネットでつながった人と会うのは怖くなかったですか?
最初はやっぱり怖かったですね。昔の「出会い系」的なイメージもありましたね。
でも、もう慣れました?
一応、今でも毎回緊張はしてるんですよ(笑)たまにビジネスの勧誘目的だったっていうケースもあります。
ゲー! それは怖い・・・
そういう場合も、相手の話は聞くようにしてます。一度、情報商材の詐欺もあったんですけど、説明が下手くそで(笑)魅力あるものを伝えるんだから、魅力ある話し方出来ないとダメですよね。本当に魅力を感じたらやるけど、魅力感じないからといってお断りしました(笑)
会う人はどういう年代が多いんですか?
20代がやっぱり多いですね。中には30~50代の方もいらっしゃいます。ほとんどが男性です。女性の方は1対1で会うのは抵抗があって、控えていたんですが、最近だと誰かもう1人いれば会ったりしていますね。
社会人が多いんですか?
そうですね。学生はむしろ少ないです。やっぱりネットでつながった人と直接会うのはまだ抵抗あるんですかね。
「会いに行くキリスト教会」っていう名前もキテレツですしね。
ははは(笑)
▼イエスを伝え続けたい
ぶっちゃけた話聞いていいですか。
はい。
お金はどうしてるんですか? 「会いに行くキリスト教会」だけじゃ生活厳しいですよね。
その通りです。生活費のためにバイトしてます。吉野家で。牛丼作ってます。学生時代からやっていたので、慣れているっていうのもありますし、吉野家ってどこにでもあるから、引っ越しても続けられて便利なんですよね(笑)
えええ。じゃあバイトする傍ら、1日3件アポとって会って・・・ってやってるんですか?
そうですね。バイトは本当に生活できるギリギリですよね。安心、安全はないんですけど、逆にストレスもないんです。病気から回復して、本当に自分にはこれしかないんだと気が付きました。
スゴいなぁ・・・今後のビジョンは何ですか?
とにかく「イエスさまを伝えたい」その一点に尽きます。教会を作るんじゃなくて、ただただイエスさまを伝える。「救い」は神様の領域ですから。僕が誰かを救えるわけじゃない。僕ができるのは、ただイエスさまを伝えるだけ。いい意味でそれ以外のことは何も考えてないです。とにかく伝えよう、と。
結果は委ねるっていうのは、本当に大事ですね。
そうですね。それは病気になって初めて理解できました。自分が教会に所属できなくなったときに、教会に人を招こうとしても限界があるって気がついたんですね。それが「会いに行くキリスト教会」を始めたキッカケでもあります。教会があると、どうしても声をかける人の範囲も決まってくる。そうじゃない。僕は会いたい人がいれば、日本中に行きたいんです。今、現実的にそれが叶えられていますね。
ナルホド。教会だと場所が固定されるけど、今の石川さんのスタイルだと日本中行けますね。
今までの「教会観」が、一回病気になってみて、客観的に見られるようになったんですね。自分が所属している教会でなくとも、その人が神様を信じられるのであれば、どこでもいいやと。「教会開拓」(※新しい教会を作る)っていうの考えたことあるんですけど、なんか自分1人でっていうのがしっくりこなかったんですね。よく教会開拓の美談で、「誰もいない礼拝堂で聖書を語ったところから始まった」っていうのあるじゃないですか。
あるあるですね。1万回ぐらい聞いたことあります(笑)
なんかそれがしっくりこなくて。誰もいないところで語っても無駄じゃない? って思っちゃったんですよね。そんな無駄なことしてる暇があったら、もっと有意義なことやった方がいいじゃんと。外に出ていって、イエスさまを伝えた方が有意義だと僕は思ったんですね。
おっしゃる通りですね。僕も意味分かりませんでした(笑)
以前の教会にいた頃は、「この人は自分の教会に来てくれるかな」と心のどこかで思っていたりして。それが嫌だったんですね。駆け引きみたいで。だから、今はとにかく「イエスさまを伝える」これ一本です。
今まで会った人で、一番遠い人はどこで会ったんですか?
福岡県ですね。
そりゃまた遠い。
今、月に1回はエリアを決めて、その地域に行くキャンペーンをやってるんですよ。1月は関西。2月は関東。3月は名古屋。4月は長野と九州。マル1ヶ月神奈川にいませんでした(笑)。5月はまた関西、6月は栃木と東北に行く予定です。
すごい。交通費半端ないですね。
それが一番キツイです。バイトもできなくなるし。でも、必要ならば神様が備えてくださると思っています。
最後に、いつも握っている聖書の言葉を。
さっき言ったローマの9章3節ですね。
わたし自身、兄弟たち、つまり肉による同胞のためならば、キリストから離され、神から見捨てられた者となってもよいとさえ思っています。
(ローマの信徒への手紙 9:3 新共同訳)
僕も、パウロのような思いで、イエスさまを伝え続けたいと思っています。
純粋に、シンプルにイエスを伝え続ける石川さん! 尊敬&応援してます!!!
(おわり)
◆このブログの筆者の小林拓馬は、現在、完全オンラインのプロテスタント教会「クラウドチャーチ」の牧仕として活動しています。
◆小林は、Podcast&YouTube「まったり聖書ラボ」でも発信中!
※この記事の聖書の言葉は、特に断りがない限り、<聖書 新改訳2017 ©2017 新日本聖書刊行会>から引用しています。